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ファティマ(''Fatima'')は、永野護の漫画『ファイブスター物語』(FSS)に登場する有機的人造人間である。 正式名称はファティマ・ファティス(''Fatima Fatis'')。騎士(ヘッドライナー)と共に戦闘兵器モーターヘッド(MH)あるいはゴティックメード(GTM)をコントロールするのがおもな役割である。 2013年の連載再開から設定が変更され、オートマチック・フラワーズ(略称はAF)という名称も併用される事になった。生体演算機としての呼称はファティマ、軍隊、騎士団における兵器としての呼称はオートマチック・フラワーズと使い分けられる。制御する人型戦闘兵器はゴティックメードになった。(年表上は最初からGTM制御のために作り出された事になっている) FSSの三大ヒロイン(ラキシス、アトロポス、クローソ-)はすべてファティマである。元々はFSSの原型となったアニメ『重戦機エルガイム』の企画段階でも、ロボット兵器「ヘビーメタル」の頭脳として登場する事が永野により構想されていたが、採用されなかった。 == 概要 == 星団暦2310年、科学者リチウム・バランスによって、出力コントロールなどのシステム制御が困難なMHを騎士に代わって制御する為に作られ、リチウムが領主を務めるデルタ・ベルン星フェイツ公国に於いて公開された。リチウムの祖父ウラニウム・バランスが提唱した「生体演算理論(騎士の驚異的な反応速度を高速演算処理に利用する)」を基本コンセプトとしている。そのため間違いなく騎士の力を持って生まれる様に、全てのファティマは、数度の睡眠期を経て星団暦まで生き残った最後の「純血の騎士」ナッカンドラ・スバース(ファティマ初公開時にはフェイツの騎士団長の地位にあった)の遺伝情報をベースにした胚から作られており、いわば全てが姉妹とされる(初期の大量生産ファティマは全てリチウムの創ったオリジナル胚のクローンだったが、やがて生産技術者の中から情報をデコードして独自改良を行うものが現れ、彼らがファティマ・マイトの魁となった)。ファティマはほぼ全ての個体が女性型である。生物の男性は女性から分化する為であり、本来人間は出生までの生存率が女性と比べて男性は低く、ファティマではその傾向が顕著となる上、性差による体力等の差も無い。また生殖機能も削除されていることから、男性型ファティマが作られることは極めて稀である(そのため工場製ファティマに男性型ファティマはいない。総て銘入りである)。 人間とほぼ同じ身体を持ちながら、スーパーコンピュータをも凌駕する演算能力(電算機能は128ビットコンピュータのパルスの速さに匹敵し、毎秒36兆5000億回の予測演算を実行する) と情報処理機能(平均的な騎士の85%の反応速度)を与えられており、MHの制御を行う。騎士と共にMHに搭乗し、頭部に移植された「ヘッド・コンデンサ」を介してモーターヘッドと情報のやり取りを行い、騎体各部の制御全般を行う。ファティマの搭載によって騎士はMHの操作のみに専念出来る様になり、その潜在的能力を完全に引き出す事が可能となり、MHは真に最強兵器としての完成を見た。ただし、通常の無機コンピューターと違い有機的であるため「物忘れ」はある。また低スペックのファティマでも長く経験を積むことで、経験の少ない高スペックのファティマを凌駕する事態も起こり得る。純血の騎士であるスバースの細胞から作られている為、騎士には及ばないものの、通常の人間を遥かに凌ぐ肉体能力を併せ持つ。 彼女(彼)らは非常に美しい容姿を持ち、例外なく痩身で、成長を止められた後は外見上は全く老化しない。そのため彼女たちに惹かれ、私的なパートナーとする騎士も少なくない。また生殖機能は持たないが、性交は可能である(作中のクローム・バランシェの言葉によればファティマに受精卵を移植受胎させての出産例もいくつかあり、そのうちの一人が剣聖ダグラス・カイエンである)。 ファティマの設計と育成には特有の能力と専門の技術が必要であり、その専門家はファティマ・マイトと言われる。ファティマは生物的には人間とほぼ同じであるため、その育成・治癒技術は人間の再生医療にも広く応用されており、ファティマ・マイトは医師の頂点でもあると言われている(当然医師免許も保有している)。マイトの主な仕事は工場製ファティマの基本フォーマットの改良であるが、自らの手でファティマの育成を手掛ける事もあり、特に高名なマイトによるものは「銘入り」と呼ばれる。またモーターヘッド同様、ファティマも定期的なメンテナンス(主にケミカルの調整や精神面でのカウンセリング)を受ける必要があり、それらメンテナンスを主に担当するファティマ・マイスターも存在する。ファティマ・マイトやファティマ・マイスターはいずれも専門職であり絶対数が少ないため、ほぼ全ての国家で敬意を持って迎えられる対象となっており、特に銘入りファティマを手がけるマイトともなると複数の国家首脳と個人的な繋がりを持つものが少なくない。 マイト製ファティマは自動車に例えれば市販車に対するF1カーの様なもので、能力は高いが安定性を欠くものが多く、扱う騎士側にも相応の腕が要求される。しかし、ファティマはサポートAIでありコ・パイロットでもあるので、ヒュートランやアトロポスの事例のようにファティマの能力が超絶的だと、騎士の技量が並でもファティマの側で足りない部分をカバーして、それなりの戦果が残せるようである(例外的だが、ファティマ単独でMHをコントロールできるものもいる)。このためファティマと騎士の間で信頼関係を構築できるかどうか重要になる。 MHの制御という点のみを見ればファティマの容姿が人間に近い必然性は無く、逆に非常に高いコスト(一人につき戦車100台、年間コストが数十億円)と不安定さをもたらしている。それを解消したのが、星団暦2300年代を代表する天才ファティマ・マイトであるガリュー・エトラムル博士の開発したエトラムルと呼ばれる非人間型ファティマである。巨大なミジンコの様な奇怪な姿をしており、純然たる有機コンピュータに近い。人間型ファティマのように突発的に高性能な個体は期待できないが〔人間型ファティマと比べると戦闘力が2割落ちる。ほんの僅かな差で勝敗が決まる騎士戦においては大きな差になる。〕、比較的安価で性能が安定しているなどの長所も多く、好んで使用する騎士団や騎士、MHマイトも多い。星団暦4000年代には騎士やマイトの血が薄れて能力が低下した事から、エトラムルが主流となっている。高名なファティマ・マイトの手によるエトラムルは美しい外見を持ち、銘に見合う性能を持つ。一方で、人間型ファティマはMHの制御のみに留まらず、情報収集や家事、負傷時の治療や連絡、性欲処理に至るまで騎士の総合的なサポートを行い得るメリットもある。また、星団一のMHマイスターと名高いレディオス・ソープに言わせると、エトラムル搭載のMHの動きには優雅さが無いそうである。 戦闘などの外的要因を除き、十分なケアを行えば死ぬことも無いとされている。作中では最初に製造された4人のファティマの一人「ジ・インタシティ」が2997年に687歳という年齢で息を引き取るシーンが描かれている。ファティマの寿命に気付いたリチウム・バランスによりファティマの遺伝子の改良が行われたため、その後に制作されたファティマは、理論上は無限の寿命を持つとされる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ファティマ (ファイブスター物語)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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